原文

住吉踊(すみよしおどり)

堺(さかい)住吉(すみよし)の祭(まつり)御田植(おんたうえ)の神事(しんじ)とて社中(しゃちう)の若僧(にやくそう)いづれも早乙女(さをとめ)の出立(いでたち)をまなび 祝詞(ことぶき)の哥(うた)をうたふて踊(をと)る 毎年(まいねん)七十余度(よど)の祭(まつり)の其壱つ也 それを真似(まね)て京人(きやうにん)の勧進(くはんじん)する下僧(げそう)等(ら)女帯(おんなおび)に赤 (あか)まへたれすけかさに紅(もみ)の絹(きぬ) おふひうちわ拍子(ひやうし)をとり都(みやこ)の町(まち)ををとりありきてくわんしんを乞(こふ)その比(ころ)はいつも 夏(なつ)五六月を限(かぎ)る

解説

「住吉踊」は堺・住吉大社の田植神事として今もつづいているものです。ここに描かれているのは同様に御幣を冠した長柄の大傘を中心に早乙女のいでたちに紅絹の覆いをつけた菅笠姿で踊る、都の大道での様子であり、住吉神社以外でもあちこちで踊られていたようです。季節は「五六月(もちろん旧暦ですが)を限る」とあります。