原文

清水寺内

弘仁天皇の御宇
宝亀十一年の草創
ゑんちん上人灵夢によりて造営といふ
又あるせつに田村将軍
大同二年しゆくぐはんによつて私宅をこぼちわたして
こんりうともいふ
本尊楊柳くはんをん
奥院千手くわんおん
地主ごんげん
本堂のうしろ鎮守也
其比阿べの高麿むほんせしかば
田村丸ちよくをうけて
いくさにむかふに
たむら丸の陣中にうつくしき法師とうるはしき男と二人あらはれて
きの矢をひろふて田村丸にあたへ賊軍を追まくりければ
つゐに高丸うたれ侍べり
かいぢんの後
宝殿をひらき見るに
びしやもんちそうの木像
矢疵刀疵有
いよいよ信心をおこし帝に奏して勅願所となせりと云