「傷だらけの本の展示会」― 横行する「切り抜き」「線引き」 ― (第12号)

期 間:1月9日(火)~19日(金)

会 場:図書館1階展示コーナー

 図書館員が書架整理をしていた時のこと。
 川村匡由,米山岳廣編著『障害者福祉論』(ミネルヴァ書房2005年)という本に、「この本のP3がやぶられていました。同じ大学の学生だと思うと悲しいです。」と書かれたメモが挟まれて、書架に置いてあるのを見つけました。 最近、こうした悲しい事件が増えています。
 
 先日も『世界美術全集』第18巻・図40~43、第24巻・図154~158が切り抜かれていました。 
 
  どうして図書を傷つけるのでしょうか?
 本当に悲しいです。 
 佛教大学図書館では、以前からも図書・雑誌への線引きや書込みが時々みられましたが、最近では、ボールペンやマーカーで線引きするケースが増えてきています。

 大学図書館のほとんどの図書や雑誌は、現在利用資格のある学生・大学院生・教職員の学習・研究のためだけにあるのではなく、将来にわたって利用することを目的として購入・所蔵しています。 
 図書や雑誌に線引きや切り抜きがあると、次に利用する学生・大学院生・教職員は大変読みづらく、不便極まりありません。 
 損傷がひどいものは買い換えていますが、古書で補充できないものも多く、結局、そのままの状態で保存して、利用に供せざるを得ないのが現状です。いずれにしても、不要な経費をまねくことになるのです。 

 これら一部の心無い利用者によって傷つけられた本を実際に見てもらうことで、改めて図書館資料の利用方法・利用する際の心構えを考えていただきたいと思い、「傷だらけの本の展示会」を開催します。この企画を通して、すべての利用者の方々が、良識ある図書館利用を心がけてくれることを願っています。

 図書館の図書や雑誌は、次に利用する人のために大切に使ってください。