【特集】統合検索システム「マルチサーチ(Multisearch)」と情報メモ・管理ツール「レフワークス(RefWorks)」を使ってみよう!―――論文・OPAC情報を効率よく集めるには?? (第20号)

(1)マルチサーチって何?

 今年度から導入された「図書館ポータルサイト」。そのメインコンテンツのひとつが、統合検索システム「マルチサーチ(Multisearch)」です。これは佛教大学が契約している30もの電子ジャーナルのWebサイトや、OPACサイトなどをまとめて検索してくれるというスグレモノ。もちろん電子ジャーナルの場合には全文検索もしてくれますし、論文の検索には絶大な威力を発揮します。

「Webサイトを検索するって、Yahoo!やGoogleと何が違うの?」

 「論文なんてGoogleで検索すれば済む話じゃない。最近はGoogle Scholarとかもあるらしいし…」そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。確かにYahoo!やGoogleのWeb検索機能は優れたものがあります。Googleの一機能であるGoogle Scholarは、Web上の論文に絞って検索をかけてくれるので、利用価値は高いものがあります。
 でも論文を検索する上で、Yahoo!やGoogleには致命的な欠陥があるのです。
 それは有料で公開されている「契約Webサイト」と呼ばれるサイトに対して検索がかけられないという点です。分かりやすく言えば、佛教大学図書館では、利用者の皆さんにたくさんの電子ジャーナルサイトを公開しています。EBSCOやScienceDirect、Oxford Journalsなどがこれにあたります。ご存知の方も多いでしょうが、これらサイトにはたくさんの電子ジャーナルが公開されていますが、これらに対する検索がかけられないのです。これはYahoo!やGoogleの大きな欠点といえます。
 マルチサーチはこの点が大きく違います。マルチサーチはこういった「契約Webサイト」に対しても検索をかけることができるのです。むしろ「契約Webサイト」に特化したGoogleでありYahoo!であると考えることができるかもしれません。
 これからの季節、論文を探す必要が出てくる方も多くなってくると思います。
 「論文を探したいんだけど、初めてなのでよくわからない」そう思う方がいたら、一度このマルチサーチを使ってみてください。きっと驚くような結果が出てくると思います。?

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(2)マルチサーチとレフワークス

 ところで、このマルチサーチのサイトは「ただ論文を探して終わり」というようなサイトではありません。実はYahoo!やGoogleにはない、大変に便利な機能を持っているのです。それは「自分専用のWebページに検索結果を簡単に保存できる」という、これから論文やレポートを書こう、と思っている人には、まさになくてはならない機能です。
 皆さんは今まで、こんな経験はなかったでしょうか?「OPACでたくさんの検索結果が出てきたんだけど、いちいちメモするのはしんどい」「必要な電子ジャーナルを「お気に入り」に追加してみたけど、あとからアクセスしようと思ったらうまくいかなかった…」
 マルチサーチを使うことで、このような悩みは解決できるのです。解決はマルチサーチと情報メモ・管理ツール「レフワークス(RefWorks)」というツールを連携させることで初めて可能になりますが、正直言って「大変に便利です(笑)」。使い方を説明しますので、ぜひ試してください!!
 まずそのためには簡単な準備が必要です。マルチサーチで検索を行う前に、レフワークスを使える環境にしなくてはいけません。なおこの最初の作業だけは、佛教大学のキャンパス内のコンピュータ端末から行わなくてはなりません。まだログインを行ったことがない方は、サンサーラを利用するなどして、「図書館ポータルサイト」から「レフワークス(RefWorks)」というサイトを訪れてみましょう。

こんな画面が表示されます。初めて訪れる方は「ログイン名」も「パスワード」も持っていないので、「RefWorksがはじめての方はこちらへ」の下、「個人アカウントの作成」を押します。

左側の「新規ユーザ登録」に必要な情報を入力し「登録する」を押します。「ログイン名」と「パスワード」
(※共に半角ローマ字or半角数字を使用のこと)は皆さんで決めてください。なお「メールアドレス」は佛教大学で提供されているもの
(※「@bukkyo-u.ac.jp」の形式をもつもの)を入力してください。以下のような画面が表示されれば、無事ログインができたことになります。


さあ、これで準備は無事完了です。今、レフワークスは個人の専用ページに無事ログインができた状態となっています。さあそれでは先ほどの「ログイン名」と「パスワード」をしっかりと覚えた上で、検索データの保存に挑戦してみましょう。
図書館ポータルサイトから「マルチサーチ」の画面を開きます。

 ここでは、画面中央○印で囲ったように、検索対象範囲を「各種OPAC」に絞って検索してみます。この場合、佛教大学図書館のOPACのほか、他の大学や国会図書館の蔵書をまとめて検索できる状況になっています。
さて『新譯選擇集』という本について検索してみます。

検索結果として、以上のような画面が表示されました。左側のDatabase欄を見れば分かるように、これは「Webcat plus」と「佛教大学図書館OPAC」をまとめて検索した結果になっています。
それではこの二つの検索結果をレフワークスの自分専用のページに取り込んで、後から参照できるようにしてみましょう。

画面左側の○で囲ったチェックボックスに、チェックをいれます。その後画面上部の○で囲った「RefWorks」リンクをクリックしてください。すると次のようなレフワークスへの連携用の画面が出現します。

画面中央の「User Name」に先ほどのレフワークスの「ログイン名」、「User Password」にレフワークスの「パスワード」を入れて、「Export to RefWorks」ボタンを押します。すると自動で以下のようなレフワークスの画面が開き、自分専用のページにこのレコードが保存されたことが分かります。

もし保存された画面が次のような英語の画面になっていてもあわてる必要はありません。一度ログアウトして、再度ログインしていただくか「Tools」から「language」を選ぶことで日本語に変更ができます。

さてこの保存されたデータの使い方ですが、日本語画面から「詳細をみる」リンクを押していただくことで、大体の内容は分かると思います。

画面の下には該当のOPACへのリンクが自動的に生成されており、以後はこれをクリックすることで、もとのOPACデータへとアクセスできます。その他書誌情報についても細かく記録されています。電子ジャーナルの場合も同様です。
 これらレフワークスに記録されたデータは、レフワークスのトップページからログインすることでいつでも参照可能になります。しかもインターネットにつながりさえすれば、どこからでもアクセスが可能です。利用は学内に限りません。ただし学外からアクセスする場合のみ「グループコード」が必要になります。グループコードについては、初回のユーザ登録時にメールで送付されておりますので、そちらでご確認ください。
 これらマルチサーチとレフワークスへは、「図書館ポータルサイト」からアクセスできます。図書館内からであれば、お近くのサンサーラか一階のデータベース「A」端末からの利用が可能です。データの蓄積が多くなればなるほど、自分専用のデータベースとしての利用価値が高まります!OPACの検索結果の保存などにお悩みの方、ぜひご利用ください!