佛教大学図書館「古典籍取扱い講座」(37-2)

 本学は2012年に開学100周年を迎えます。大正2(1913)年、「佛教専門学校」が成立したときから数えて100年の歴史ですが、その起源はさらに遡ります。知恩院山内に仏教講究の機関が設置されたのは明治元(1868)年のことであり、仮勧学場、浄土宗専門学院(浄土宗学本校を二分したうちの高等専門科)、浄土宗教大学院、浄土宗大学、宗教大学分校、高等学院と、名称、所在地をかえつつ、大正2(1913)年、現佛教大学の前身である佛教専門学校に引き継がれました。
 本学での「図書館」という呼称は昭和9(1934)年、成徳常照館の完成にはじまりますが、それまでは小規模な図書室が若者たちの知的欲求を支えてきました。つまり、本学図書館の蔵書は現佛教大学ができてから、受け入れたものばかりではなく、学問を志す若い修行僧や学僧のために明治維新後の混乱の中で、多くの人々の浄財や篤い志のもとに築かれてきた図書が基礎となっています。

 知恩院山内に仏教講究の機関が設置された明治維新の頃、政情は一変しますが、江戸時代からのものがすべてなくなったわけではありません。そのころに図書を蓄えようとすれば、近代といわれる明治時代であっても、それまでに書写あるいは刊行された図書を集めることになりますから、そのほとんどが江戸時代までにできた図書ということになります。また、明治以降、近代印刷による出版活動も次第に活発化しますが、出版書籍数、部数は現在のように大規模なものでなく、江戸時代の形式をそのまま引き継いで出版されることも多かったのです。すくなくとも明治時代までは「新刊書」として出回る本でも、今日わたくしたちが「和古書」と呼んでしまうような本が多数刊行されていました。

 図書がつきものの学問も、現在では研究成果そのものの発表媒体がさまざまに変化してきていますが、今日まで本学に引き継がれてきた多くの書物を自分の目で確かめる機会をもっていただければと、下記の要領で佛教大学図書館「古典籍取扱い講座」を開催いたします。期間中の日時はご希望の方と調整いたしますので、ぜひご参加ください。

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  • 「古典籍取扱い講座」ご案内
  • 【講習対象】
     本学学生をはじめとする本学構成員で、和漢古書について知りたい人(初心者向け)
    【講習内容】
     和漢古書について平易に解説し、授業では行なわれることの少ない古書の取扱い方、閲覧マナー等について初歩的講習をいたします。本学図書館に所蔵する古典籍をじかに手にとって、その取扱い方や他館への訪問閲覧を行なう場合の心得などについても講習します。
     Ⅰ.古典籍と書誌学(写本と版本、装訂、書物のつくり、その他)
     Ⅱ.取扱い(書物に触れる前に、形状、材質に則して、閲覧を終えるとき)
     Ⅲ.原典の複写および二次利用
     Ⅳ.原典の所在を探す
    【開催時期・会場】
     時 期: 2月16日(月)・18日(水)・19日(木)  ①13時~ ②15時~ *日時は希望により調整
     場 所: 図書館グループ閲覧室 201教室
     人 数: 一度に10人以内
     時 間: 1回60~90分程度
    【申込と問合せ】 問合せ: 佛教大学図書館(担当・古川)
     Tel.: 075-491-2141
     Fax.: 075-493-9042
     申込方法: 申込用紙(用紙は図書館各所、1階総合カウンターに設置)に必要事項を記入のうえ、図書館まで申し込んでください。
     来館: 佛教大学図書館総合カウンターへ
     Fax.: 075-493-9042
     E-mail: bulib@bukkyo-u.ac.jp
    ※E-mailでの申込の場合は、件名を「古典籍取扱い講座申込」とし、所属(学籍番号)、氏名、受講希望日時を明記し送信してください。申込受付後、当館からの連絡が生じた場合は、E-mailにて行います。
     受付締切: 2月10日(火)まで