デジタルコレクションに「選擇本願念佛集 江戸初期版」「選擇傳弘决疑鈔 江戸初期 古活字版」「選擇傳弘决疑鈔 寛永9年版」を追加しました

デジタルコレクション「選擇本願念佛集 江戸初期版」「選擇傳弘决疑鈔 江戸初期 古活字版」「選擇傳弘决疑鈔 寛永9年版」を追加しました。

選擇本願念佛集 江戸初期版
 建久九年、九条兼実の要請に応じて法然が撰述したもので、京都廬山寺に現存する草稿本は、標題「選択本願念仏集」と冒頭「南無阿弥陀仏 往生之業念仏為先」の二十一字が源空自筆と伝えられる(重要文化財)。
 本書には刊記も年記もないため刊行にかかる確証をうることはできないが、毎半葉六行毎行十七字、無匡郭の版面および粘葉装であることなどから、江戸初期あるいはそれ以前の古活字版と推定される。また、本書には剥離した元題簽が修補後の遊び紙に貼付されて、「本福寺」の印記のほか「釋氏惠聞」「西光寺」など旧蔵履歴をしのばせる墨書が残されている。
『佛教大学附属図書館所蔵 貴重古典籍目録』より

選擇傳弘决疑鈔 江戸初期 古活字版
 建長六年(1254)、良忠(1199-1287、浄土宗第三祖)が下総地方の教化によって鏑木九郎の帰依を受け、匝瑳郡鏑木に住んでいたころに辨長(1162-1238、浄土宗第二祖)から授けられた『選擇本願念佛集』を註解したもの。良忠は浄土宗の教学を大成し、然阿、記主禅師の名でも知られる。
 本書には刊記も年記もないため刊行にかかる確証をうることはできないが、毎半葉十行枚行二十字、無匡郭双花魚尾の版面等から江戸初期の古活字版と推定される。また、本書の題簽は剥落してその痕跡をみることはできない。印記「不爲」「存覚」のほか「寶玲文庫」「春翠文庫」からフランク・ホーレー、中島仁之助等の旧蔵を経てきたものであることがわかる。
『佛教大学附属図書館所蔵 貴重古典籍目録』より

選擇傳弘决疑鈔 寛永9年版
 建長六年(1254)、良忠(1199-1287、浄土宗第三祖)が下総地方の教化によって鏑木九郎の帰依を受け、匝瑳郡鏑木に住んでいたころに辨長(1162-1238、浄土宗第二祖)から授けられた『選擇本願念佛集』を註解したもの。良忠は浄土宗の教学を大成し、然阿、記主禅師の名でも知られる。
 本書は「寛永九年壬申仲秋吉旦 新刊」の刊記はあるが、版元は記されていない。四周単辺無界、毎半葉九行毎行十八字黒口という版式は一貫しているが、上下向き合った魚尾は黒の中に花が混在している。
『佛教大学附属図書館所蔵 貴重古典籍目録』より