京都学派と自覚の教育学―篠原助市・長田新・木村素衛から戦後教育学まで
- 矢野智司
- 勁草書房
- 2021.8
矢野 智司先生(教育学部教育学科)による紹介文
明治期に欧米の教育思想書の翻訳から始まった日本の教育学は、大正時代に西田幾多郎の『善の研究』などの影響を受け、さらには田邊元ら京都学派の「自覚の哲学」の展開に並行する形で、独自の「自覚の教育学」として発展してきました。それは戦後においてもさまざまな形で継続されています。「大正新教育」から戦時期の「国民的自覚の教育」、さらには戦後の「教育基本法」のなかにも、こうした京都学派の哲学を読みとることができます。