明治から昭和までの読売新聞の全紙面を記事見出しから検索できる『明治・大正・昭和の読売新聞』ですが、今月から1961年1月1日から1970年12月31日までの10年分が新たにデータとして追加されました。
現在の日本を考える上でも重要な示唆を与えてくれる戦後の高度成長期。この時期の社会、政治から生活、文化に至るまで多くの情報がこのデータベースに含まれています。日本の政治経済に重要なインパクトを与えた東京オリンピックや大阪万博は、ちょうどこの時期に当たりますし、発展の裏側で公害が著しく問題となったのもこの時期でありました。アメリカやソ連を中心とした冷戦構造が深刻化し、ベルリンの壁が建設されたのもこの10年のことです。キューバ危機により、第三次世界大戦の勃発がささやかれ、両国間の宇宙開発競争で有人宇宙飛行が活発化。アポロ宇宙船が月面に着陸するに至る…といった出来事も、全て今回のデータベースの範囲に含まれています。
日本やアメリカが直面してきたこれらの出来事を丹念に見ていくと、その影響が同時代で収束することなく、現在にまで及んでいることにふと気が付くかもしれません。最近何かと注目されている中国に目を向けてみれば、北京オリンピック、そして上海万博と日本が歩んだ道のりをそのまま踏襲するような動きを見せています。その反面環境汚染や公害問題が社会のひずみとして取り上げられるのも、この時期の日本と似ているといえなくもありません。また有人宇宙船による宇宙飛行や、月面探査の話題すら聞こえてきますが、このあたりはこの時期のアメリカを彷彿とさせる部分があります。
皆さんも一度、古い新聞に目を通してみてはいかがでしょうか。学内からは「図書館ポータルサイト」からアクセスできます。もちろん、もっと古い時代の新聞を見ることもできますよ。