貴重書画像データベースにコンテンツを追加しました!(臨)

 図書館電子資料庫にてテスト公開中の貴重書画像データベースですが、このたび従来からの『花洛細見圖』に加え、『十二月(つき)あそひ』、『羅生門』、『いはや』をコンテンツとして公開しました。インターネットに接続できるコンピュータ環境であれば、どこからでも閲覧できます。なお今回の更新により、テスト公開から本公開へと移行させていただきます。ぜひ一度ご覧ください。

 ご利用はこちらから: 佛教大学図書館電子資料庫

【コンテンツ内容紹介】

『花洛細見圖』
 古今刊行されつづけている京都本のひとつです。元禄十七(1704)年の序をもち、表紙題簽には「寶永」と冠する地誌ですから、江戸期の京都本のなかでは中期にかけてのものといえましょう。元禄時代の京都は町人文化が花開いた時期です。商業出版も盛んになり、書肆が多く立ち並び、本学に近い西陣は機織の音もさぞかしにぎやかだったと思います。「花洛」とは花の都京都のことであり、京都の社寺仏閣や花の名所とともにおもな年中行事をあわせて紹介しています。

『十二月あそひ』
 正月から極月(十二月)にいたるまで内裏、京の町々を中心に伝わる年中行事や遊びの数々、季節の自然などが月ごとに描かれた絵巻です。京都に住まうものにはなじみの深い地名や、多すぎて「人の心を迷わし悩ます」という花の名所も登場します。いまに伝承される行事や風物もありますが、この絵巻が製作されたころ(江戸中後期ごろか)と現在とでは違ったかたちで残っているものなども多く、比較しながら楽しむこともできます。美しく楽しいひとときを思いおこさせるだけでなく、いくつかの貴重な時代風物を映しており、近世のみならず近現代にまで示唆に富むさまざまな要素をもった史料といえます。

『羅生門』
 『羅生門』絵巻は平安時代の武将・源頼光(948~1021)による鬼退治武勇伝に源氏伝来の「鬼丸・鬼切」の名刀伝説を織り交ぜたものがたりで、舞台は平安京、成立は室町時代中期頃といわれています。このものがたりには羅城門のあった現在の千本九条あたりはもちろんですが、多田、摂津国、丹波国・大江山、堀川通り一条戻橋、正親町の橋詰、二条大宮、八条坊門、男山、大和国・宇陀の郡、二条の御所、河内国・高安の里、唐土、長岡、横川等の地名や場所がみえます。