資料紹介~命について考える(28-3)

今回、皆さんに紹介する図書は、本学教育学部准教授の黒田恭史先生が書かれた『豚のPちゃんと32人の小学生』です。

この本は、黒田先生が小学校教員時代に、学級で豚を飼い、その飼育を通して子どもたちに命について考えさせる実践が記されています。子どもたちは、飼育活動を通して様々な問題に直面しますが、それらを仲間とともに協力して解決していく姿が克明に記録されています。そして、卒業を控えた6年生の冬、豚のPちゃんを食肉センターに送るのか、下級生に引き継いでもらうのか、32人の子どもたちの出した意見は16vs16、最後の1票を持つ黒田先生の出した結論は・・・。

子どもに関わる様々な事件や事故が多発する現在の日本において、改めて命の問題について考える機会を提供してくれる好著です。ぜひ皆さんも、本書を読んで、命の問題について考えてみてください。

そして、もう一つビックニュースは、この本の内容が映画化されることになりました(映画「ブタがいた教室」2008年秋公開予定)。ナント黒田先生役を演じる主役は、今をときめく妻夫木聡さんです。既に、東京都内の廃校での撮影は終了し、あとは映画が完成するのを待つだけとなったそうです。読書とともに、映画館へも足を運んでみてはいかがでしょう。

 『豚のPちゃんと32人の小学生』
  黒田恭史著 ミネルヴァ書房 2003.6
  請求記号375.182∥2007