資料紹介~本の本(29-3)

 読書好きの方が「何か面白い本はないか」、読書のきっかけを模索している方が「何を読めばよいのか」と、膨大な図書を前に悩んでしまったら・・・。
 そんなときに参考になるのが読書案内本(本の本)です。ベストセラー作家や評論家などによる著書では、図書の紹介にとどまらず、著者の思想背景も詰まっており、読み応えがあります。

 今回紹介する図書は、『松岡正剛千夜千冊』と『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻 読書術免許皆伝』です。?

 『松岡正剛千夜千冊』は、著者の松岡正剛氏が、1日1冊ずつの書物案内をウェブ連載したものに144冊分の原稿が追加され、著者自身が再編集し、全集として書籍化したものです。本書はA5判、第1巻~第7巻および特別巻で構成され、1巻あたりの平均頁はナンと1,300頁(1冊の厚みが約7㎝)。1巻ずつの構成は、著者が「それぞれまったく異なるコンセプトとシナリオをつくり、それにふさわしい本をシャッフルして」「ぼくの本の読みかたが並んでいる」と語るとおり、各巻ともユニークな章立てがされています。?

 また、“「一冊」で「千冊」が読める”と謳われている、同著者の『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻 読書術免許皆伝』では、インタビュー形式で、上述七巻分が要約されており、全集を読む前に、まず本書を読んでアウトラインをつかむことができます。また、著者流の読書術も折々に紹介されています。?

 『松岡正剛千夜千冊』は装幀も美しく、絶妙なカラー・バリエーションです。このたび、『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻 読書術免許皆伝』とともに、6月9日(月)まで、1階展示コーナーで紹介し、貸出も行っています。

 『松岡正剛千夜千冊
  松岡正剛著 求龍堂 2006.10
  請求記号019.9||2010||1(第1巻)‐019.9||2010||7(第7巻)
        019.9||2010(特別巻)?

 『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻 読書術免許皆伝
  松岡正剛著 求龍堂 2007.6
  請求記号019||2004?