デジタルコレクションに「大方廣十輪經」を追加しました

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大方廣十輪經
 「大方広十輪経」は8巻からなる仏教典籍。本書は巻子本で、巻第3のみが残る。  本書の巻頭には扉画がある。また版式を見ると、毎行14字23行で、余白に「大方廣十輪經卷第三 第○張 唐字号」とある。これらの特徴から、この「大方広十輪経」は金版大蔵経のうちの一巻であると考えられる。  大蔵経とは仏教聖典を集成したもののことで、中国やその周辺の地域では各種の大蔵経が刊行された。金版大蔵経(金蔵)は中国北部に建てられた王朝・金において刊行された大蔵経で、12世紀頃の印刷である。この金蔵を主な底本として影印刊行されたのが『中華大蔵経』(北京:中華書局、1983~)であるが、一部は他版の大蔵経を底本としている。この「大方広十輪経」巻第3の底本も金蔵ではなく高麗版大蔵経となっている。
参考文献 坪井俊映『佛教書誌学』