デジタルコレクションに「淨土三部玅典」「浄土三部經附六時礼讃偈音義」を追加しました。
淨土三部玅典
「浄土三部」とは浄土宗の根本聖典である「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」のことをいう。本書は写本で、表紙裏に「東都/四体(ママ)葊貞極老師謹冩/長恩山深有縁殘之」、巻頭題の下に「大楽寺什本」、巻末に「正徳六丙申年六月二十五日 立譽(花押)」とある。書写者の貞極(ていごく、1677-1756)は浄土宗の僧で、一蓮社立誉、通称四休庵という。表紙裏の墨書によれば、立誉は「深有縁」、この本を長恩山大楽寺に残したとある。大楽寺は越中国(現在の富山県)の浄土宗寺院。
浄土三部經附六時礼讃偈音義
浄土宗の根本聖典である三部経(「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」)および六時礼讃偈に音韻と意義とを注解した書。珠光編。「浄土三部経音義」ともいう。本書の序文の末尾には「于時天正十八歳次庚寅暮春上澣和州之住侶鎭西汲流野僧珠光草録旃云尓」とあるが、これは刊年を示すものではなく、原本の版式は慶長元和(江戸初期)、刊行は江戸前期であると考えられている。
参考文献:『珠光編 浄土三部経音義』(勉誠社文庫)