デジタルコレクションに「選擇本願念佛集 建長版」「選擇本願念佛集 寛永版」を追加しました。

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選擇本願念佛集 建長版
法然(一一三三-一二一二)が、建久九(一一九八)年六十六歳の時、九条兼実の要請によって撰述したもの。内容は念仏の要文をあつめ、その要義を十六の章に分ちて論述してもので、浄土宗の根本聖典である。

藤堂祐範『選擇集大観』によると、選擇集の出版の種類は粘葉綴古版本十二種、袋綴本五十二種、近代活字版および銅版本十四種および袋綴本に追加されるべきもの一種を加え、計七十九種の多くを集録している。この古版本は、粘葉綴古版本十二種のなか、延応版に次ぐ古い版本で、刊年はないが尾題の後に、「浄土教門解脱詮 今開印板弘流轉 迴施尊儀及群類 順次同生九品蓮」の刊記があることにより、建長三(一二五一)年の刊年をもつ西本願寺本、また東洋文庫本とも異版である。どちらにしても建長頃の古版本であることには疑いない。
『佛教大学図書館蔵貴重書図録』より

選擇本願念佛集 寛永版
この本の刊行年である寛永十六(一六三九)年は、知恩院の諸堂が寛永十年に灰燼に帰すという大事故が突発し、御影堂の諸堂復興がはじまる年でもあった。刊行者である雄譽霊巖は、刊記に記すように今流布している本はあまりに字の脱増や誤まりが多いので当麻往生院本(元久本)によって開板したと記している。またこの本は従来焼ヶ版と称して非常に数少ない本であったが、しかし大正九年知恩院の収蔵庫より板木が発見され、十部を新慴している。
『佛教大学図書館蔵貴重書図録』より