10-11月企画展「名所案内周遊ガイド」

旅ブームが起こった江戸時代後期、人気を博した旅行案内記の中には、観光地・京都を紹介するガイド本も数多く含まれていました。たとえば貝原益軒著の『京城勝覧』には、17日間で名所を巡ることができるというモデルコースが掲載され、効率的に観光地を訪れたいと願う旅行者に大変好評でした。『京城勝覧』は後続のガイド本にも多大なる影響を与え、6日間で、はては3日間で洛中洛外の名所旧跡を制覇するという、現代人にとっては無謀とも思える距離を移動するルートを含むものまでありました。
今回の展示では、京都ガイド本の嚆矢ともいわれる『京城勝覧』とそれに類する案内記、新規収蔵資料である『皇都細見之圖』などをご紹介します。相当な健脚でなければ達成できないであろう江戸時代の旅人気分を、ぜひとも味わってください。

企画展示|デジタルコレクションよりご覧ください。