佛教大学図書館デジタルコレクション

いはや

イワヤ Iwaya
いはや
タイトル Title

いはや イワヤ Iwaya

別書名 Alternative Title

岩屋草子 イワヤ ソウシ Iwaya soshi

岩屋の草子 イワヤ ノ ソウシ Iwaya no soshi

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解題 Bibliography

『いはや』の書名については、置き去りにされた主人公の姫が一時期育てられた住居に因むものであり、『岩屋の草子』『岩屋』『岩屋物語』『岩屋姫物語』『対の屋姫物語』などの多様な名称で呼ばれている。本文系統についても、和歌を多く含む本文から簡略化された表現の本文をもつものまで多様な形で伝承されており、現在は散佚して存しない王朝物語『いはや』を改作した御伽草子といわれている。

本学所蔵の『いはや』は小ぶりの縦型奈良絵本で、本文料紙は金箔を多用した豪華本ではないが、登場人物の目鼻には愛らしさがあふれた筆遣いがみられるものである。中冊末近い部分で、明石浦を出発間近に姫がいなくなり、大騒ぎとなった一行の様子を記す箇所が欠落している。


『常照-佛教大学図書館報 第58号』より (PDF:3.7MB)

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大きさ Extent

3冊 ; 23.7×17.0cm

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あらすじ Summary

主人公の姫の父・堀河中納言は妻(姫の実母)と死別し、三年後に後妻・北の政所を迎えた。後妻を迎えるにあたって、先妻の遺児である姫は対の屋に部屋を移ったので、それ以降、対の屋の姫君とよばれるようになった。この物語が『対の屋姫物語』とも呼ばれるのは、この居室名にちなんでいる。

姫は和琴、琵琶などに秀で、見目麗しく育っていたが、実母の病、早世から沈みがちのくらしとなり、自室にこもって母を弔う日々を送るようになる。後妻には主人公の姫より一歳年上の娘があり、表向きには平穏の時が流れていたが、父・中納言が太宰帥となったため、一家で筑紫国へと下向する。海路の途中、明石の浦に七日ほど停泊し、翌朝の出発を控えた夜、継母の謀によって対の屋姫は、海に沈められようとするが、殺しきれなかった家来によって海上の岩の上に置き去りにされる。姫は舟で通りかかった海人に救われ、明石の浦の海人夫婦の岩屋で暮らすことになった。

一方、中納言等は、姫は海へ沈んだものと思い、姫の婚約者四位少将は、悲しみのあまり出家する。一周忌、三回忌の法要を終えたころ、二位中将という皇子が、湯治の帰途明石浦に通りかかった際、姫を見染めて都へ連れ帰る。二位中将の母である北政所は息子が海人の子を寵愛していると知り、嘲笑するため姫を呼び出す。しかし予想に反する姫の美貌と教養の高さに、周囲の者たちも感嘆せずにはいられなくなった。正式に妻となった姫は、中将との間に子をもうけ、一族繁栄、栄華を極めたという。


『常照-佛教大学図書館報 第58号』より (PDF:3.7MB)

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