ウィリアム・モリスの夢 19世紀英文学における中世主義の理想と具現
- 清川 祥恵 著
- 晃洋書房
- 2025.2
清川 祥恵先生(文学部英米学科)による紹介文
最近は100円ショップで見かけることもあるウィリアム・モリスのデザインですが、こうして時代を超えて愛される美が生み出された背景には、彼が見た夢がありました。あまり日本では読まれることのないモリスの詩やロマンスを通して、彼の理想に触れてみましょう。清川 祥恵先生(文学部英米学科)による紹介文
最近は100円ショップで見かけることもあるウィリアム・モリスのデザインですが、こうして時代を超えて愛される美が生み出された背景には、彼が見た夢がありました。あまり日本では読まれることのないモリスの詩やロマンスを通して、彼の理想に触れてみましょう。清川 祥恵先生(文学部英米学科)による紹介文
普段、小説は読まなくても、アニメやマンガは見るという人はいまや多数派かもしれません。アニメやマンガ、音楽、映画、ゲームを通して新たな価値観や文化を学ぶことも増えているでしょう。本書は、『鬼滅の刃』や米津玄師「死神」など、皆さんにも身近なポップカルチャー作品のことを、もう少し深く考えたいと思ったときに是非読んでほしい一冊です。専門家の視点を通して、自分の大好きな作品の新たな読み方を発見してみてください。李 冬木先生(文学部中国学科)による紹介文
本書は図版14ページ、自序、15タイトルおよび121サブタイトル、附録、中国語・日本語・欧文索引、後書きで構成され、769ページからなる。中国全国十選選書プラットフォームで、「2023年度十大推薦書」に選ばれた。魯迅における日中近代文化交流史に興味があれば、読んでみてはいかがでしょうか。李 冬木先生(文学部中国学科)による紹介文
本書は「学衡爾雅文庫(近代概念史シリーズ)」第1輯の一冊であり、序文、第1~4章、結び、後書き、付表、索引で構成され、195ページからなる。本書を通じて、国民性という言葉において日中の近代思想文化交流を見ることができ、また「nationality」という言葉が日本語の「コクミンセイ」からどのようにして中国語の「国民性Guominxing」に変化したかを理解することもできる。これは中文の教材として読むだけでなく、教養書としても読むことができる。松本 真治先生(文学部英米学科)による紹介文
イギリスのノーベル賞詩人T. S. エリオットと言ってもピンとこないかもしれませんが、ミュージカル『キャッツ』の原作者と言えばどうでしょうか。2022年は、エリオットの代表作であり、現代詩の金字塔とも言われる『荒地』発表からちょうど100周年。日本T. S.エリオット協会では記念論集を刊行しました。100年の時を経た『荒地』の新解釈をはじめとした21の論考と『荒地』の新訳を所収。入門的な論考も含まれていますので、エリオットを知らない人には知るきっかけに、またすでに知っている人にはさらに知るきっかけとなります。稲永 知世先生(文学部英米学科)による紹介文
本書は、コク・キレ・のどごしの意味は?生チョコの「生」って何?など、味にまつわることばを言語のプロが徹底的に分析しています。また、カレーやラーメン、お菓子の味のおいしさを、比喩やオノマトペを利用して効果的に伝える方法をわかりやすく解説しています。引用した東海林さだおさん、阿川佐和子さんなどの名文や、『美味しんぼ』『神の雫』『孤独のグルメ』『ワカコ酒』『忘却のサチコ』などグルメ漫画のセリフも味わい深く、図や表も多用し、解き明かされるレトリックの数々に驚かされ、日本語の奥深さを堪能できるでしょう。また、食にまつわる楽しいコラムも箸休め的に掲載しています。清川 祥恵先生(文学部英米学科)による紹介文
「神話」は、お話自体として楽しまれる以外にも、本や音楽のモティーフ、商品名、ゲームのキャラクター名として皆さんの生活に身近に溶け込んでいます。私たちが、普段気にもとめないほど自然に「神話」を受け容れているのはなぜなのでしょうか。あるいは、なぜ神話は、これほど魅力的なものとして語られつづけているのでしょうか。さまざまな時代や地域の事例を通して、人が「神話」とどのように接してきたのかを考える手がかりとなる一冊です。和泉選書195
上野 辰義先生(文学部日本文学科)による紹介文
源氏物語の主人公光源氏の生涯を、人生周期(ライフサイクル)に注意しながら、逐ってみました。割と生臭いです。世間に流布する光源氏のイメージでなく、生身の人間としての彼を知ってほしいです。好悪を含め、光源氏がもっと身近に感じられると思います。それが、時間と時代を超えた古典としての面白さといえるでしょう。楊 韜先生(文学部中国学科)による紹介文
拙著は、今から約80年前の日中戦争期の事象を取り上げたものです。しかし時代が変わっても、人類が「戦争」という過ちを繰り返します。この本が出版された直後に、ウクライナをめぐる事態は急変しました。いかなる理由や事情で始まる戦争でも憎しみ〈のみ〉を生み出し、敵愾心を醸成し、最終的には人間の暮らしを崩壊させるものです。平和な現代日本で暮らす私達にとっては、常に歴史を知り、歴史から学ぶことは重要だと考えます。この本を通して、少しでも「戦争」のこと、また「戦争を防ぐ」という難しい課題に関心をもって頂けたら幸いです。濵田 泰彦先生(文学部日本文学科)による紹介文
江戸時代の男性アイドルといえば、歌舞伎若衆でした。若衆とは20歳前後の若者です。現代も男性アイドルは熱心なファンが支えていますが、江戸時代も同様でした。たとえば、応援しているアイドルのグッズであれば課金を惜しまない心理が働きます。江戸時代もそれは同じで、上村吉弥が顔につけていた白粉や玉村吉弥の紋所(「世」のロゴ)は、競って女性たちが購入しました。同時に、彼らは男性客にとっての性的対象でもありました。したがって、昨今言われている性的多様性(LGBTQ+)を再考する一助にもなります。是非手に取ってみてください。