平田篤胤 狂信から共振へ
- 山下 久夫 編, 斎藤 英喜 編
- 法蔵館
- 2023.2
斎藤 英喜先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
古代神話が、近世、近代においてどのように読み替えられ、近世や近代固有の神話が創造されていくかを明らかにする一書です。「神話・伝承学」をさらに専門的に勉強したい人には、お勧めです。斎藤 英喜先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
古代神話が、近世、近代においてどのように読み替えられ、近世や近代固有の神話が創造されていくかを明らかにする一書です。「神話・伝承学」をさらに専門的に勉強したい人には、お勧めです。南川 高志先生(歴史学部歴史学科)による紹介文
紀元2世紀、「五賢帝」の時代のローマ帝国は、最盛期を迎えて人々は平和と繁栄を享受していたと思われがちですが、五賢帝最後のマルクス・アウレリウスの治世は、天然痘と思われる疫病が大流行し、帝国の北から諸部族が侵攻してローマ軍と戦いとなる、まさに「パンデミックと戦争」の時代でした。本書は、帝国統治の最高責任者として難局に当たった皇帝の生涯を考察して、彼の有名な著書『自省録』の背景を明らかにしようとしたものです。佐古 愛己先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
藤原氏が国政を掌握した摂関政治をへて、上皇による院政が始まる院政期。政務のしくみや運営方法・財源など、貴族社会のしくみと、政治権力の転変をわかりやすく解説しています。また、この時代は寺院造営や人口増加で都市域が拡大し、平安京が〝京都〟へ変貌する胎動期でもあります。京都の都市的変遷においても興味深い時代です。古代から中世へ、過渡期の京都の歴史に興味のある方には、ぜひ一読をお勧めします。八木 透先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
『講座:日本民俗学』シリーズは、民俗学の研究水準を的確に示すとともに、現代社会に民俗学が果たすべき役割についても言及した講座本であり、民俗学を本格的に学ぼうとする学生諸氏にとっても、格好のテキストとなるものと思われる。八木 透先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
鬼は人間の写し鏡だと思います。つまり、私たちは鬼を知り、鬼について考えることにより、人の本来あるべき姿を見いだせるのではないかということです。鬼は、自分を振り返り、内省するためには必ず必要な存在だということを学んでほしいと思います。岩波講座世界歴史
南川 高志先生(歴史学部歴史学科)による紹介文
ローマ帝国は、日本ではヤマザキマリさんの漫画「テルマエ・ロマエ」でよく知られるようになりましたが、一般には法律や建築などで高度な発展を実現した文明国家というだけでなく、奴隷制が発達し広大な地域を征服して住民を強圧的に支配した強国とも理解されてきました。この書物では、こうしたステレオタイプの理解を新しい研究で覆し、政治・経済・社会システムから被征服民の変化や人々の世界観まで広く深く論じています。門田 誠一先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
魏志倭人伝は邪馬台国や卑弥呼のことが書かれている史料です。これまでの研究は邪馬台国の場所はどこかが主な関心でした。しかし、魏志倭人伝は中国の歴史書なので、そこに書かれていることを中国の考古資料で解読したのが、この本の特徴です。当時の中国人の立場からみた古代の日本の姿を復原しました。考古学の専門書ですが、ここで示したように相手の視点からは何が見えてくるかを考えることは、歴史の研究だけでなく、いろいろな分野や場所で求められることだと思います。八木 透先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
現代家族の実態に感心がある者にはぜひ一読をお勧めしたい。八木 透先生(歴史学部歴史文化学科)による紹介文
島嶼社会、あるいは韓国に興味のある学生諸子は一読されたい。南川 高志先生(歴史学部歴史学科)による紹介文
古代ギリシア人やローマ人が生きた世界は、科学技術などの点で現代とは大きく隔たっていますが、人がどのように「生」を見つめ、生きようと考えたかという「思い」の次元まで観察を深めると、彼らと現代人との距離は急速に縮まります。この本は、外交や商業から呪い、星占い、パンデミックの時代の「死」の感情、そして幽霊や墓まで、多様なテーマを考察して、古代人の生き方や感情を明らかにしています。読者は、歴史世界の「深層」を感じ取ることができるでしょう。Studia Oecumenica Friburgensia 101
小俣 ラポー 日登美先生(歴史学部歴史学科)による紹介文
フランシスコ・ザビエルの来日後に日本にも広まったキリスト教。ところが、徳川時代に入り「鎖国」の世となると今度は厳しい弾圧にさらされます。潜入した宣教師、棄教を拒んだキリスト教徒たちが処刑されると、かれらは「殉教」者として顕彰されました。その記録を西欧の文献、列福資料、殉教伝、絵画、演劇に見いだし、日本で起こった事象が西欧の文化的コンテクストにどのように浸透していったのか分析します。西洋史と日本史の垣根を横断するグローバル・ヒストリーの試みです。